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印刷の品質
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プリプレス今昔
ほんの十数年前まではデザイナーがデザインした紙の版下を使用し、営業担当が製版担当者に色分け指示をしていました。たとえば
紺色
の部分は
「
藍100
、
黄100
」
、
ピ
ンク
になる部分は「
赤20
」というようにクライアントのニュアンスをそのまま制作担当者へ、全ての部分を色指示していました。
それが一変したのがパソコンの発達により制作ソフト(Adobe Illustrator,Photoshop,PageMaker)での作成したデータがそのまま印刷用のデータ(版下)として取り扱われるようになってからです。
製版知識の無いデザイナーが作成した不完全データが蔓延し、また不況に伴い入社後すぐ外へ出され現場の経験が無い印刷営業マンが増え、製版現場や印刷現場のオペレータ泣かせの不完全データがそのまま印刷へ素通りするようになり、刷り直し(再印刷)が多くなって来ました。特に最近では印刷業界が不況のため、データが不備だとの指摘が顧客やデザイナーへできず、またデータをもらった営業マンも印刷知識無いため不完全部分の指摘ができないのがその一因です。支給データは完全データが基本なので、大手印刷会社では支給データはそのままのデータで印刷するのが常識なのでチェックはしないのが当たり前です。「このデータを印刷するように」とデータを作ったのですから、その通りに印刷をあげるのが印刷会社の責任。自分のカラープリンターやモニターの色と違うからと、印刷会社に刷り直しを強要する顧客がいるのも現実です。
・
色管理今昔
一般的に印刷に使用されるのはオフセット印刷ですが、このオフセット印刷には
C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)
の4色のインクが使用される為、この4色の濃度差で色管理してきました。
さらに全国統一の色基準が定められ、その基準を基に各社が管理していましたが、実際には色の濃度は季節・1日の温度差(たとえば朝と昼の工場内の温度は違う、またエアコンとの距離でも温度差が出る為)で変化するため工場内全体の温度・湿度を通年一定にしなければならず、工場全体の空調管理には効率よく管理できるよう天井を低くして工場空間を狭くしたり外壁をリフォームしたりとコストがかかり、厳密にいう色管理は一部の会社だけでした。
最新の色管理は濃度計で測定した色を3次元の座標(
Lab
)に置き換え、その差(
Δ-E
)での色管理法が出てきました。従来の色管理に比べてこの
Δ-E
での管理がより厳密なので、比較的安心して印刷依頼ができます。
私が利用している外注先はもちろん
Δ-Eで色管理
しています。
なぜ温度・湿度により色が変わるのか?
インクの濃度は丸い点の大きさにより濃度差が出ます。点が小さいと薄く見え大きいと濃く見えます。このインクが紙に印刷した時紙の上で水滴のように乗り、この水滴状の円の大きさが温度・湿度により大きさが変わるため、見た目に違って見えるのです。
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印刷データ今昔
「色管理今昔」で述べたとおり十数年前までは紙版の時代でした。ここ十年間は、「PageMaker」「Quark XPress」や「Illustrator」で作成したデータが受け渡しに使用されています。
ほんの数年前まではNETでのデータ送付は専用回線を使用するのが一般的で本社の制作部と工場が別の場所にある場合に社内限定で使用されていました。
最近のインターネットでの高速回線の発達に伴い、専用回線を持たない会社同士の大容量データ送信が可能になって来ましたが、数年から注目されているのが皆さんご存じのアドビ社のアクロバットで閲覧する
PDFデータ
です。 元々PDFはアドビ社が、印刷会社向けにパソコンで制作したデータを印刷機に送る時に使用するフォーマットとして開発しましたが、当時は色の再現性が良くなく、圧縮技術の方が注目されネットの世界で一躍有名になり一般で普及し印刷業界では使用されませんでした。私も「これからの印刷業界」という講演を聴いたあと、すぐに東京のクライアントへのデザイン送付にこのPDFを使用したぐらいです。
このPDFがいよいよ印刷業界で
「X1a」
というバージョンから本格的に使用され始めました。この
X1a
では色の再現性が格段にアップし大容量だったデータが全国どこへでも送信できる軽さになり、沖縄の顧客から北海道の印刷会社へ瞬時に送付できるようになりました。地域による印刷価格の格差解消がすぐそこまできています。
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X1a登場でこれからの作成データの変化
X1a
の前書きは「印刷データ 今昔」で述べた通りですが、この
X1a
(正式にはpdfX1a)は、データを受けた側では修正ができないので、これまでの様な、
「印刷発注してやるんだから、ちょっと修正しておいて」
などのような印刷会社のタダ働きがなくなり、
「プロなのに何でココの色が違うんだ」
などと不完全データを作成した本人に怒鳴られ、無知な新人営業さんが印刷オペレータにそのまま苦情を持ち込み、逆に怒鳴られる・・・などの様なことは無くなります。何せこの
X1a
はアドビ社の大の顧客である印刷業界を救うため? に登場したようなフォーマットですから、上記のようなことや、官公庁からのエクセル・ワード等の文字化けデータに困っている印刷業界では朗報なのです。
「データ支給時は完全データが当たり前!!」
印刷業界の常識がやっと通用する時代になってきました。さあこれからはデザイナー受難の時代です。デザインができるというだけでやってこられた時代は終わりを告げようとしています。デザイナーは印刷知識を身につけ完全データを作成できる技術・知識を身に付けましょう。
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